36th KN

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教科書のSF

この2、3ヶ月は自宅で過ごす人が増え、インターネットでの動画配信サービスが盛況のようです。各サービスでは新たな顧客獲得の目玉として、先日連載が終了したばかりの人気マンガのアニメを無料で配信したりしています。コロナウイルス感染症が一段落しても、この傾向はしばらく続くのではないかと思われます。

 

さて、某動画配信サービスのおすすめ映画に『復活の日』があるのを見つけて驚きました。今から40年ほど前に公開された映画です。

小松左京という、戦後の日本SF小説界を代表する作家の小説を原作としています。ちなみにこの方の著作権保護期間が終了するのは約60年後です。小松左京の代表作は『日本沈没』となるのでしょうが、『復活の日』はその前に発表された作品です。

伝染病によって人類のほとんどが死滅してしまう、今読むと何ともいえないリアリティを感じさせる小説です。

 

小松左京星新一筒井康隆の三人で「SF御三家」と呼ばれていたこともあります。

 

星新一は文庫本で数ページ程度のショートショートと呼ばれる短編小説を多く残しています。人気作家だったことが忘れ去られるほど、書店で見かけない時期があったのですが、ここ数年は新装版などの出版も増えてきました。

筒井康隆は『時をかける少女』の印象が強いかもしれませんが、『文学部唯野教授』のような哲学の入門書的な作品も残しています。

 

現代の作家で、各方面からも高い評価を受ける人物に安部公房がいます。安部公房は『壁』『砂の女』など日本文学を代表する作品を数多く残しています。なお彼の著作権保護期間の終了は約50年後です。

安部公房が『方舟さくら丸』という小説を発表した時、筒井康隆は「ほとんどSF」と評したのを覚えています。

 

今回の紹介した作家の作品は「青空文庫」で読むことができませんので、安部公房の『鞄』を教科書で読んでください。SF小説としても成立していると思います。

 

星新一公式サイト